2008年3月17日

★☆高級ホテル戦争時代!儲けのカラクリはこうなっている!

汐留「コンラッド東京」・日本橋「マンダリンオリエンタル東京」・六本木
「リッツカールトン東京」・日比谷「ペニンシュラ東京」など、東京では超
高級ホテルの開業ラッシュが続いています。いずれのホテルも1泊5万円程度
からと、庶民にはため息のつく価格ですが、開業以来好調な稼働率を記録し
ているとのこと。格差社会を痛感してしまいますね。維持費がかかるとは言
え、1つの部屋で5万円も10万円も売上が上がるなら、さぞかし儲かるだろう
と思いきや、実は高級ホテルのほとんどは、「宿泊だけでは赤字になる」の
です。日本一の売上高を誇る帝国ホテルの財務諸表から、ホテルビジネスの
からくりに迫ってみます。

同社のサイトからは、IR情報として平成19年度の財務諸表がダウンロードで
きます。これによると、帝国ホテルの売上高構成は次のようになっています。

総売上 570億円
客室 102億円(売上高構成比20パーセント)
食堂 86億円(同16パーセント)
宴会 218億円(同43パーセント)
(いずれも概算)

ここで「客室」というのが宿泊料としての収入、「食堂」はホテル内レスト
ランやルームサービス、持ち帰り惣菜などの収入、そして「宴会」はブライ
ダルや追悼式などの冠婚葬祭利用、会議や研究会などのビジネス利用です。

ここからわかるのは、客室の売上はなんと総売上の20パーセント程度しかな
いという事実です。帝国ホテル東京の1室単価は最低でも4万円以上、規模と
して1千室を超えていますから、大型の高級ホテルと言うに十分です。しか
も同決算書には稼働率78.5パーセントの記載。高い部屋を稼働率高く回して
も、これだけの売上構成比にしかなっていないのです。

それに対して館内レストランの売上は、高価な客室と同等の売上があり、さ
らには宴会の売上は客室の2倍以上です。これらが帝国ホテルにとって貴重
な売上を占めているわけです。

他にも財務諸表を公開している高級ホテルは複数ありますが、構成比は違え
ど、構造は同様となっています。

つまり、ブランドイメージを売りにした高級ホテルビジネスの要諦は、高級
に整えられた客室でお客さんの印象を高めつつ、レストランで食事をしても
らったり、挙式をしてもらって利益を出すということになります。

ホテル業界の方にとっては「当たり前の構造」も、外部の人間にとっては全
く知らなかったりします。決算書などから数字データを分析することで、今
まで見えなかった業界のカラクリが見えてきます。

例えば上記のようなことがわかれば、広告会社の企画マンがホテル向けに書
く企画書には「客室をいかに埋めるか」ではなく、「館内レストランや宴会
場の稼働率をどのように高めていくか」という点を確実にふまえる必要が出
てきます。

またコンサルティングの立場からは、そのような「他業界のカラクリ」を参
考にしながら、現状打破のアイデアや、売上向上の知恵をしぼるということ
になりますので、知れば知るほど提案可能性が広がることになります。

いずれにしても、イメージにとらわれない、的確な理解こそが情報洪水時代
に必要なことなのだと思います。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://onozomidotcom.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/119

コメントする

(こちらからコメント画面へお入りください。)